『セブン』 次々に起こる怪事件。現場に残された暗号。キリスト教の“七つの大罪”をモチーフにしながら、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン演じる刑事コンビを迎え入れるのは予想だにしない衝撃のラスト。スタイリッシュに描かれる映像世界に唸る。推理する力が養われる一本。そして一度観たらハンドライトの持ち方は真似ざるを得ない。
『ユージュアル・サスペクツ』 銃器強奪事件の犯人を割り出すために集められた5人の前科者。いったい犯人は誰なのか。そしてどこまでが本当で、どこまでが嘘なのか。人の心理をあざ笑うかのようなどんでん返しが炸裂する終盤。二度見必至の謎解き映画だ。ブライアン・シンガー監督の出世作。そのビジュアルはクールの極みと言えよう。
『シックス・センス』 主人公の少年コールは常人には無い特殊な“第6感”、死者を見る事ができる能力を持っていた…。心霊現象を取り扱いながらも、全編に巡らされたMNS(ナイト・シャマラン)監督ならではのラスト。オチに驚き、その演出手腕に再び驚く。個人差も多々あるが、笑いが止まらないほど面白い。人はそれを“シャマラー”と呼ぶ。こんな監督、そういない。
『タクシードライバー』夜のニューヨークをひた走るタクシードライバー、トラヴィス・ビックル。ひとりの若者の狂気と狂熱を描きながら、現代社会の闇をあぶり出す傑作。アホな兄ちゃんだけど、その尊さは憧れを抱くほどにイカしてます。映画好きはもちろん、モヒカンを語るなら是非観ておきたい一本だ。ロドリゴ・コルテス監督が『レッド・ライト』でオマージュを捧げたという“Are you Talk’n to me?”の一言に痺れる。
『ゴッドファーザーPART Ⅱ』 言わずとしれた歴史的傑作の続編。デ・ニーロは本作でアカデミー賞助演男優賞受賞。シチリア島に住んで、イタリア語をマスターした後に、マーロン・ブランドのしゃがれ声を完璧に模写した。そのストイックなまでの役作りは後に“デ・ニーロ・アプローチ”と呼ばれるようになる。ニューヨークの街並みを背景に屋上から屋上へつたって歩くデ・ニーロを横から獲る一連のカット、最高です。
『ケープ・フィアー』 これぞ悪役!ジョーカー(『ダークナイト』)もシガー(『ノーカントリー』)もビックリです。絶対観てる(と思う)。知的犯罪者マックス。出所したての彼は、自分を救えなかった弁護士一家に復讐の炎を燃やす。「コイツの笑顔を消したい」と思うほど憎らしいけど、終盤に行くにつれ、寂しい気持ちになるのは何故。