物語


大学で物理学を教えるマーガレット・マシスン博士(シガーニー・ウィーバー)は、この世のありとあらゆる超常現象の科学的解明に取り組んでいる。新たにふたりが調査に乗り出したのは、レオナルド・パラディーノというインチキ霊能力者。好奇心旺盛な女子大生サリー(エリザベス・オルセン)をチームに加え、パラディーノの透視術のイカサマをまんまと暴いて刑務所送りにするが、そこに思わぬ強大な敵が出現する。1960年代末から1970年代初めにかけて、驚異の超能力で話題をさらったサイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)が復活を遂げたのだ。30年以上も表舞台から姿を消していたシルバーが超能力のショーを再開し、まもなく地元のコンサートホールにやってくると知ったトムは、シルバーを調査対象にすべきだと主張するが、マーガレットは頑なにそれを拒絶する。実はマーガレットには、若い頃にテレビ番組でシルバーとの対決に挑み、彼のインチキを証明できなかったばかりか、逆に心の弱みを突かれて完敗を喫した忌まわしい過去があったのだ。

「シルバーは危険よ。近づかないで」

マーガレットの忠告を無視し、シルバーのショーの会場に単身潜入したトムは、そこで衝撃的な出来事に見舞われる。黒いサングラスをかけてステージに立つシルバーの強烈な視線を感じた瞬間、ホールの電気系統が一斉にショートし、観客が大パニックに陥ったのだ。時を同じくして、研究室ではマーガレットが昏倒し、病院に救急搬送される。シルバーが何らかの細工をしたに違いないと信じて疑わないトムは、シルバーの尾行を開始し、寂れたビル内に赤いライトを灯した彼の隠れ家を突き止める。ところがそれ以降、トムの身辺で不可解な現象が続発。自分が幽体離脱する悪夢にうなされ、ベッドのそばに出現したシルバーの幻影に脅えるトムは、じわじわと精神的に追いつめられていく。

はたしてシルバーは正真正銘の超能力者なのか、それとも希代のペテン師なのか。マーガレットの弔い合戦に執念を燃やし、捨て身の覚悟でシルバーとの直接対決になだれ込んでいくトム。その先に待ち受けていたのは、誰も想像しえない驚愕の真実だった……。